70.ドイツ人に見習う幼児の教育

 犬の声帯を切除して、ペット飼育禁止の都心マンションで飼う人が増えている、という記事を読んだ。
 いくら可愛いくとも、そこまで自由を奪って、野良犬より惨めにさせても手元に置いておこうというのは、人間のエゴで、飼い主失格である。
 農耕−「定着」民族は植物を育てるのは上手だが、動物を飼育するのが下手。狩猟−「移動」民族は動物の飼育がうまく、植物を育てる不得意。そんな説を開いた。全くその通りだと思う。
 ドイツに僕は十年住んだが、ドイツ人たちは子供を小さい時に「なぜ?」と反応することの出来ない、頭の中が真っ白で素直な時に、大変厳しく育てる習慣を身につけている。
 犬のしつけも同じで、ドイツで日本のように、飼い犬が野犬と同じにほえたてるのを、僕は聞いたことがない。
 ずっと島国に住み続け、農耕生活をおくってきた日本人は、生えてくる枝ぶりをいきなり曲げてしまうことをせず、日や雨、豊かな自然の恵みのもと気長に植物を育ててきた。
 その手法でペットも子供も育てているのではないだろうか!
 遊びこけるドイツの幼い子は、時計を持っていないので、おかあさんと約束した帰宅の時間を気にして、大人に時間をたずねにやってくる。ドイツ人の子供のしつけは厳しい。
 ヨーロッパの真ん中で、狩猟の民として、ゲルマンの大移動などを経験してきたドイツ人。
 悠長な育て方をしていては、子供はとてもついてはこられなかったであろう。
 ライオンは、生まれたばかりの子僕を谷底へけ落とす。
 その手法で幼い時にしつけてしまう彼らの習性を、われわれもぜひ見習おうではないか!